9月11日
たまたまいわき
出張いわき
紙面にせめぎ合う
半年前と10年前
受験勉強の最中、ともだちからのメール
「テレビがドラマみたいや」
「観とるだけで気分悪なってきた・・」
世界が変わった10年前
気持ちが変わった10年前
たくさんの人が変わった10年前
から9年と6ヶ月
海が表情を変えたあの日
揺らぐことを知らなかった“当たり前”の在り方をも変えたあの日
たくさんの人の“大事”を変えてしまったあの日
町の姿をも数十秒で変えてしまった、あの日
その6ヵ月後の海は
無情にも
非情なまでに
とてもとてもきれいで
碧くて
きらきらに輝いて
海を望む一軒家
1階がない2階建て
角と線だけになったコンクリートの土台
かつては笑顔と営みがあったその上に
いまは空だけが、ぽかんとお昼寝
土から生えてきたみたいに
群がって固まった陸(おか)の上の船
壁代わりにはためく大量旗
柱だけ残った道の駅には
元気になろう!っていう気持ちと力があった
黒くて怖い何かだったあの日
あの海を忘れない
このきれいな海を
きらきらに輝くこの海を
ぼくらの頭にくっついた
“Ichi-ichi”の響きが
ぼくらを生かす
動かす
守る
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